ADHD治療薬として、コンサータ、ストラテラ、インチュニブと
3種類の薬を見てきました。
ここで気になってくるのは、
実際にこの薬を使い続けると、どの程度のお金がかかるのか?
という部分だと思います。
以前の記事でも記載しましたが、ADHDの根本治療は現時点ではありません。
そのため、ADHDと共に生きるという認識で、ずっと付き合っていかねばなりません。
薬もタダではありませんので、その費用感を厳密に知っておくことは
非常に有用だと思います。
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目次(Contents)
各治療薬の単価について
まずは、各治療薬の薬価を確認してみましょう。
下記の薬価は平成30年4月以降の薬価となります。
製品名 | 薬価 |
コンサータ錠18mg | ¥337.80 |
コンサータ錠27mg | ¥374.30 |
コンサータ錠36mg | ¥402.60 |
ストラテラカプセル10mg | ¥324.70 |
ストラテラカプセル25mg | ¥409.50 |
ストラテラカプセル40mg | ¥461.20 |
ストラテラカプセル5mg | ¥272.50 |
ストラテラ内用液0.4% | ¥209.20 |
インチュニブ錠1mg | ¥407.20 |
インチュニブ錠3mg | ¥537.50 |
比較対象として一般的な薬の薬価も以下に記載します。
製品名 | 薬価 | 備考 |
カロナール錠200mg | ¥7.10 | 痛み止め |
ロキソニン錠60mg | ¥14.50 | 痛み止め |
ゼスラン錠3mg | ¥8.20 | 花粉症等のアレルギー症状を和らげる |
タリオン錠10mg | ¥41.40 | 花粉症等のアレルギー症状を和らげる |
この時点で既にどれだけ一般的な薬との金額差が有るのかわかりますね・・・・。
保険適用対象について
まず、治療薬であるコンサータ、ストラテラ、インチュニブについては保険適用となります。
保険適用外となってしまうものはADHDを治療するためのカウンセリング(相談)や
訓練、検査も基本全額自費となります。
※ここでの検査とは心理検査が中心となります。
ただし、医療面からの検査(MRIや脳波等)の場合は、総合病院などで検査を受ける為、
保険適用となります
そのため、投薬に関しては基本的には3割負担という認識で問題ありません。
また、後述する「自立支援医療制度」や「医療福祉費支給制度(マル福)」を利用すれば、
さらに負担割合を一割程度まで減らしてくれますので、
こちらも進んで進んで申請していきたい制度です。
利用可能な制度について
利用可能な制度としては、自立支援医療制度や医療福祉費支給制度(マル福)があります。
個々に見ていきましょう。
自立支援医療制度(精神通院医療)
この自立支援医療制度(精神通院医療)は、精神疾患のために継続的に通院による治療を
受ける必要があると認定された方にて、事前に登録指定した病院や薬局でのみ、
窓口で受給者証を提示すると、医療費の健康保険自己負担が3割から1割の負担になるという
制度です。
自立支援申請方法に関しては、自治体の保健福祉課の窓口に問い合わせて
確認を取っていただければと思います。
ただし、注意して欲しい事として、この制度には収入制限があり、有効期限は1年で、
1年毎に更新が必要です。また、2年に1度、医師からの診断書の提出も必要となります。
(関連リンク:厚生労働省:自立支援医療(精神通院医療))
医療福祉費支給制度(マル福)
以下は茨城県庁の公式ホームページより引用となります。
医療福祉費支給制度(マル福)とは、小児(外来:小学6年生・入院:中学3年生まで)・妊産婦・ひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)・重度心身障害者などの医療福祉受給対象者の方が、必要とする医療を容易に受けられるよう、医療保険で病院などにかかった場合の(注1)一部負担金相当額を公費で助成し、医療費の負担を軽減する制度です。
(茨城県 医療福祉(マル福)のしくみ)
茨城県以外にも医療福祉費支給制度(マル福)は敷かれていますが、自治体によって
対象年齢や負担額が異なるため、詳しくはお住まいの市町村の担当課に
問い合わせてください。
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実際の費用計算サンプル
では、具体的な費用を見ていきましょう。前提条件は以下とします。
・自立支援医療制度(精神通院医療)が適用されている事
・一月分の使用量とする。
・成人の一般的な効果維持量とする。
コンサータを一ヶ月使用し続ける場合
コンサータは1日1回で、適量は36mgとします。
一月だと以下のようになります。
¥402.60×30日分 =¥12,078(10割負担)
→ ¥12,078(10割負担)×0.3 =¥3,624(3割負担)
→ ¥12,078(10割負担)×0.1 =¥1,208(1割負担)
※自立支援医療制度を利用していれば、負担額の上限となる可能性あり。
ストラテラを一ヶ月使用し続ける場合
ストラテラは1日1回で、成人の効果維持量は80mgとなりますので、
そちらを加味して計算すると以下となります。
(¥461.20×2)×30日分 =¥27,672(10割負担)
→ ¥27,672(10割負担)×0.3 =¥8,302(3割負担)
→ ¥27,672(10割負担)×0.1 =¥2,768(1割負担)
※自立支援医療制度を利用していれば、負担額の上限となる可能性あり。
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インチュニブを一ヶ月使用し続ける場合
インチュニブは1日1回で、成人の一般的な体重を「50kg以上63kg未満」とすると
維持量は4mgとなります。つまり、インチュニブ錠1mg(¥407.20)と
インチュニブ錠3mg(¥537.50)を服用することとなりますので、
一月だと以下のようになります。
(¥407.20+¥537.50)×30日分 =¥28,341(10割負担)
→ ¥28,341(10割負担)×0.3 =¥8,503(3割負担)
→ ¥28,341(10割負担)×0.1 =¥2,835(1割負担)
※自立支援医療制度を利用していれば、負担額の上限となる可能性あり。
まとめ
一見すると、コンサータが一番安いですが、人によって処方量が変わるため、
一概にこの金額となるわけではない点に注意してください。
また、ここで例として計算した費用は「薬」のみの金額です。
診察料もこれに加わるとなると、毎月の経済的負担は決して無視できるものではありません。
少なくとも、自立支援医療制度は可能な限り申請しておかなければ、
生活する上でも非常に大変になると感じる結果となりました。
・・・・インチュニブを10年使うとすると・・・・
1割負担でも34万円といったところですか・・・。
ずっと飲み続けることを考えると、10年以上となりますので、
ちょっと頭が痛くなりそうですね・・・。
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