『アスペルガー症候群』、皆さんもよく耳にする障害の一つだと思います。
ですが、詳しい症状を説明できる方は意外と少ないと思います。
「あの人と話をしても、うまく会話が噛み合わないから、きっとアスペルガーなのかしら?」
という程度の認識なのではないでしょうか。
現代社会には、アスペルガー症候群の方は実はかなりいます。
単純に症状の軽い重いはありますが、身近にいる方もアスペルガー症候群かもしれません。
そのため、具体的にアスペルガー症候群とはどういうものなのかを
自分自身がアスペルガー症候群ではなくても、知っておいて損はないと思います。
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目次(Contents)
アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群とは、
広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:略称PDD)という
大きな枠組みの中の障害の一つです。
現在では、アスペルガー症候群は呼び方が変わり、
「自閉症スペクトラム障害」と医学的には呼ばれています。
※本サイトでは分かりやすくするために、旧名称を使っています。
自閉症、アスペルガー症候群は共に、対人コミュニケーションに難が有りと
言われていますが、区分としては(簡易的ですが)以下とされています。
自閉症は「言葉の発達に遅れが有る」症状が併発している場合を言い、
アスペルガー症候群は「知的にも言語発達にも遅れがない」場合を言います。
その点において、2つの障害は分けられていました。
ですが、この境界線は非常にあいまいである為、
イギリスの児童精神科医ローナ・ウイングが、
「自閉症とアスペルガー症候群は境界線が非常にあいまいな集合体(スペクトラム)
である為、今後は自閉症スペクトラム障害と呼ぶこととする」
と提唱し、以後は、この名称が国際的な名称となっています。
発達障害の分野についての詳細は、以下の記事で図付きで紹介していますので、
宜しければ、ご参照ください。
アスペルガー症候群の特徴について
アスペルガー症候群の特徴として、上記で紹介した
イギリスの児童精神科医ローナ・ウイングはアスペルガー症候群を
①社会性の障害、②社会的コミュニケーションの障害、③社会的イマジネーションの障害
の3つを『3つ組の障害』と定義しています。
社会性の障害
具体的には、相手の目を見ながら話すことが出来なかったり、
人の立場や相手の気持ちに配慮した言動が苦手だったりします。
社会的コミュニケーションの障害
言葉や会話の能力には問題ないのですが、
細かいニュアンスが理解できなかったり、
社交辞令等の言外の意図を汲み取ることが苦手です。
社会的イマジネーションの障害
想定外の事や臨機応変な対応などが苦手であり、非常にこだわりが強く、
一つのことに集中すると周りが見えなくなってしまう傾向があります。
逆に決まりきったルーチンワークについては得意としています。
広汎性発達障害(PDD)についての詳細なチェックシートもありますので、
こちらも参考にしていただければと思います。
アスペルガー症候群の人ってどれくらいいるの?
日本ではありませんが、アメリカでの調査結果によると、推定59人の子供のうち、
約1人が自閉症スペクトラム障害(ASD)であると報告されています。
(出典:Data & Statistics | Autism Spectrum Disorders | CDC(米国))
2000年の時は150人に1人の割合で自閉症スペクトラム障害と判定されてきましたが、
約15年で倍以上となっている点が非常に気がかりです。
単純に判断の精度が上がっているだけなら良いのですが・・・・・。
いずれにせよ、59人に1人と考えると、満員電車内に3人はいらっしゃると
思ったほうが良さそうです。
まとめ
簡易的な特徴をまとめてみましたが、アスペルガー症候群の方は
社会的なコミュニケーションが苦手である事がよくわかったと思います。
また、意外と身近にアスペルガー症候群の方がいるということも
今回のことで理解していただけたと思います。
アスペルガー症候群ではない方は、まずは、アスペルガー症候群の方の理解から
始めていただき、最終的にはどのように付き合っていけば良い関係を
築けるのかという点まで知っていただければ良いかなと思います。
今後はその辺りも含め、情報発信をしていきたいと思います。
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