ADHD(注意欠陥多動性障害)とアスペルガー症候群の症状は結構似ており、
一般的なお医者さんでも見分けることが難しく、専門医が複数のテストを実施した結果で、
はじめて「あなたは●●です」という感じで障害名がわかります。
また、ADHDとアスペルガー症候群(主に広汎性発達障害)が併発した場合は、
医学的には「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれ、診断結果としても
この名前が使われるようになりました(私の子もこちらに該当しています。
ということで、最初に結論を言ってしまいましたが・・・・、
「違いは分かりにくい」だけで、「こっちぽい」という判断はできますので、
その判断材料として見ていただければと思います。
※詳細を確認したい場合は、必ず発達障害が受診可能なクリニックや
病院にいくようにしてください。
目次(Contents)
Difference:対人関係について
★ADHD
簡単なミスや遅刻、大切な約束を忘れてしまうといったことが多いです。
相手と会話をしても衝動を抑えることが出来ないため、自分だけ喋りすぎてしまうことが
よくあります。なお、アスペルガー症候群とは異なり、相手の表情や言葉から
その人の気持ちを汲み取ることができます。
★アスペルガー症候群
相手の話している意味や気持ちを汲み取ることが出来ないため、失礼な態度や
発言をしてしまい、トラブルになることがあります。
また、相手の嘘や悪意も分からないため、騙されがちです。
特性上、会話のキャッチボールが苦手なので、良い対人関係を築くことも難しいです。
Difference:集中力の持続について
★ADHD
興味・関心があることに対しては集中することが可能ですが、多動であるため、
長時間集中することが出来ません。
また、別のものが目に入ると、直ぐに集中力が切れ、意識がそちらに移動してしまいます。
★アスペルガー症候群
ADHD同様、興味・関心があることに対しては強いこだわりを見せ、何時間でも集中して
作業することができます。
ルーティンワークなどの画一的な作業で、この能力は非常に強く出ます。
Difference:整理整頓や順序立てについて
★ADHD
物事を順序立てて行うことが苦手であるため、整理整頓といった片付けについても苦手です。
また、多動の影響で、整理整頓中に出てきた色んなものに気を取られ、
結局整頓できずに出しっぱなしになることがよくあります。
★アスペルガー症候群
片付け自体は苦手ではありませんが、物を捨てることを極端に嫌がります。
基本的に、整理整頓というよりは自分が決めたルールというこだわりに従って物を
配置しているため、置いた場所が変わると落ち着かなくなってしまいます。
Difference:運動能力面について
★ADHD
個人差はありますが、基本的に運動が苦手ということはとくにありません。
★アスペルガー症候群
身体を動かすことが苦手で、特に野球やサッカーなど球技は嫌いな傾向が強いです。
さらに、手先が不器用で細かな作業が苦手だったり、身体の動きがカクカクしていて、
ロボットのようだと指摘されることもあります。
また、他の人とコミュニケーションをとることが困難なので、サッカーや野球などの
チームスポーツに苦手意識を持つ人もいます。
Difference:計画立案や計画的作業について
★ADHD
作業を順序立てる事が困難である為、計画的に何かを行うことがとても苦手です。
また、時間の管理も苦手である為、スケジュールの管理も得意ではありません。
★アスペルガー症候群
計画を立てる上での他の人との調整事は苦手ですが、計画を予定通り変更無しで
進めて行動することは可能です。
ですが、計画外の自体や急なスケジュール変更については対応することが困難です。
Difference:一般的な仕事について
★ADHD
二つ以上の仕事や作業をこなそうとすると、どちらかをすっかり忘れてしまうことが
よくあります。また、不注意、衝動性の症状によってケアレスミスが多くなりがちです。
会議や仕事中なども集中できないことがよくあったり、
仕事を先送りにしてしまうこともあるので、約束の時間に間に合わないことがよくあります。
★アスペルガー症候群
決まり決まったルーティン作業であれば問題なくできますが、複数の作業が一度に来ると、
パニックになったりします。また、仕事を依頼する時は、具体的な指示を出さないと、
作業の期限を守れなかったり、やり方を間違えたりすることが発生します。
Difference:感覚に対する強いこだわりについて
★ADHD
ADHDだけの状態であれば、それほど強くこだわりを見せることはありません。
★アスペルガー症候群
偏食がひどかったり、音に敏感な聴覚過敏など、「感覚過敏」の症状が多く見られます。
それ以外にも、一度興味を持ったことに対しては、時間を忘れるほど、
のめり込むといった強いこだわりを見せます。
まとめ
確かにADHDとアスペルガー症候群は似た部分が多くあります。
文面だけでみれば見分けられそうですが、人の数だけ障害の軽い重いが有る為、
最初に行ったとおり、判別は非常に難しいです。
もし、今回挙げたような症状が半年程度、継続して発生し続けているのであれば、
発達障害の可能性は否定できませんので、勝手な思いこみで自己診断するのではなく、
キチンとした医療機関で診察することをおすすめします。