【広汎性発達障害】アスペルガー症候群を改善させる治療方法とは?

アスペルガー症候群はADHDと同じく、脳の先天的な障害です。

そのため、親御さんの教育やしつけの問題ではなく、

生まれ持ったその子の性格や特性の一部となります。

だからこそ、アスペルガー症候群を完全に治癒する薬は現段階ではありません。

ただし、少しでもその生きづらさを解消させて、心や身体の負担を減らすことは可能です。

ここで言う改善させる治療方法とは、そういった意味合いとなる点に注意してください。


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目次(Contents)

治療方法

それでは、どのような治療法があるのか見ていきましょう。

食事・サプリメントによる療法

アスペルガー症候群の原因は脳神経の情報伝達機能不全と言われています。

そのため、脳神経そのものが弱くなっている可能性もある為、食事・サプリメントで

脳神経自体を強化することも重要です。

どんなに優れた薬や情報、サポートを行っても、情報を伝達するのは脳神経伝達物質です。

この土台をまずはしっかり作ることが大事だと言えます。

運動療法(脳の情報伝達の円滑化)

アスペルガー症候群の特徴として、運動能力がイマイチ良くない事が挙げられます。

これは脳の神経伝達速度とも関係しており、運動療法(普通に運動するだけで

問題ありません)を行うことで、ぎこちなかった情報伝達物質の受け取り・受け渡しを

改善させることが出来ます。

知育療法(脳の情報ネットワークの拡大)

脳神経のネットワークを広げるトレーニングを行います。

内容としては、療育や幼児教室などで行なっている知育で問題ありません。

その知育から絵や図形の遊びを通して、物の構造やルールを理解する力を養います。

この「ルールを理解する脳の土台」ができれば、しつけや人から怒られている理由などを

理解できるようになります。

また、脳の前頭葉を鍛えるという意味ではお手玉やけん玉、音読、

簡単な計算問題も効果があると言われています。


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ソーシャルスキルトレーニング(SST)で経験や知識を得る

ソーシャルスキルトレーニング(SST)として、具体的な社会的コミュニケーションの訓練や

適切ではない行動に対する訓練を時間をかけて行い、改善を目指します。

主に、相手の立場になって考えたり、相手の気持ちを想像したりする訓練や

一般的とされる考え方を学び、社会的イマジネーションを鍛えます。

※ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは

 「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」は、社会に適応することを目的とした

 技術(スキル)が何らかの点で妨げられている人のための訓練で、

 自閉症スペクトラム障害を持つ人に対しても行われる場合があります。

 例えば、実際の社会的場面を想定し、どういった対応をとればよいのかというのを

 実践的に身につけていくものです。常識や暗黙の了解といったものの理解が難しい

 アスペルガー症候群に対しては、こうした1つ1つの場面に応じた対応を

 覚えていく治療法が効果的である場合が多いです。

<ソーシャルスキルトレーニング(SST)の例>

グループ療法 障害による働き難さや対処法など、参加者に共通するテーマに沿ってディスカッションを行う
レクリエーション・軽作業 ゲームや料理のようなレクリエーション、パソコンを使う軽作業などを行う
コーチング 治療者がコーチ役となり、設定した目標を達成できるように支援する

家庭や学校、職場での正しいサポート(症状の改善と成長の促進)

家庭や学校、職場にてアスペルガー症候群の症状や特性を理解し、

サポートすることが、症状の改善と成長の促進を最も促すことが出来ます。

二次障害の投薬治療について

アスペルガー症候群が原因で生じる二次障害(うつ病や不安障害など)を

改善させるための投薬治療は存在します。

主に精神医療としての向精神薬や精神安定剤、睡眠薬、感覚過敏を抑えるための

気分安定薬がそれに当たりますが、あくまでも、症状を一時的に抑制する対処療法にすきず、

根治する訳ではありません。

根本的な問題は、アスペルガー症候群であるためですね。

ですが、二次障害は自律神経のバランスが乱れ(イライラする・精神的に

不安定になるなど)を改善することで病状の悪化は防げるため、

改善の一つの手段ではあります。

まとめ

いわずもがなですが、アスペルガー症候群(発達障害全般にも言えますが)を

より深刻化させてしまっている最も大きな原因は、周囲のサポートがなく、

症状や患者への無理解による二次障害と言われています。

上記で述べてきた治療を行うのと行わないとでは、ご本人の生きやすさは勿論、

周りの方々の生活にも差が出てくると思いますので、周囲の人の十分な理解と

支援がある適切な環境を作りながら、改善活動を行うことが、二次障害の発生を防ぎ、

アスペルガー症候群症候群の深刻化を防ぐ、重要なファクターとなります。

<注意事項> 本チェックシートはあくまで主観的な検査に過ぎず、 PDDの可能性の有無を簡易的に示唆する目的で作成されたものであり...
<注意事項> 本チェックシートはあくまで主観的な検査に過ぎず、 PDDの可能性の有無を簡易的に示唆する目的で作成されたもの...

また、上記のチェックシートや、アスペルガー症候群の特徴を再度確認し、

もしトラブルが目立つようであれば、その時点で医療機関に相談し、

必要に応じてできるだけ早く治療や療育をすることをおすすめします。

その事によって、早い時期から適切な対処法を身につけることが出来、その子にとって、

コミュニケーションがうまくいかないツライ時間を短くすることができますので。


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コメント

  1. かっぱさん より:

    はじめまして、相談支援専門員として日常業務に携わっているものです。
    日常業務のなかでのアセスメント様式は、国標準様式を利用しているのですが、その中には当ブログにあるような発達障害に特化したものがありません。今回ブログ内にて様々なチェックシートを拝見させて頂きました。
    そこでご相談なのですが、各種チェックシートをダウンロードし私共の業務のアセスメントの一部として追加等を行い、使用させて頂く事は可能でしょうか。著作権等の問題があろうかと思い、メールさせて頂きました。
    ご確認の程、どうぞよろしくお願い致します。

    • Rucy より:

      > かっぱさん

      ご連絡ありがとうございます。
      特に問題ございませんので自由にご利用ください^^

      ただ勿論、専門家による診察結果が正となりますので
      あくまでも参考とする程度に留めておいていただければ幸いでございます。